おうじさま

地上から見上げる星が美しいように、空から見下ろす「星」も美しいとおもう。

 

それは文明の「星」。この大都会で、たくさんのひとが暮らしている証拠。

 

あなたの奥のわたしは、いつまで美しいかな。その目と目を通して、なにを会話できるかな。残り、わたしが生きられる時間は少ないようにおもうんだ。

 

もうちょっとでも、気楽に息ができたら、わたしはここに留まりたいとおもっただろうか。首もとに手を当てる、その数秒が、わたしが生きていることを思い出す時間。もがく時間。

 

紫陽花を見たときわたしを想った、と言ってくれたひとかいた。紫陽花が好きだ。すきだ。あちらに行ったら、紫陽花は見えないだろう、けれどそれでも。

 

だれかを、愛してみたいよ。

あおいかぜ

そうなんだよ

そうなんだ

たった一度だけ愛したのがきみだった

 

きみと別れた日

「いってきます」と笑った

これが最後だって、

きみは知ってたのかな

 

ねえ、どんな眠りかたをしたの?

ひとりぼっちだった?

くるしかった?

 

眠る少しまえまで、

わたしのことをなにか

きみは憶えてたのかな

 

花のようなきみを

枯れてしまうところまで

見届けることができずにごめん

 

振り返ってわたしを見つめるその瞳が

どんな宝石よりも美しかったこと

ほおつたう

せんせい、わたしは間違っていましたか。

また間違ってしまったのですか。

 

自分の独断と偏見により行ったそれらは、あなたを傷つけてしまった。

あなたの悲しそうな眉の形を見たとき、心臓がグッと掴まれたように苦しくなった。

 

「大丈夫、君は悪くない」

 

あなたは傷つけられた側なのに、わたしを許し、慰めようとしてくれましたね。

それでどんなに救われたか。

同時にどんなに悔しかったか。

もうわたしは、太陽を見上げることを諦めてしまったみたいです。

あせないで

たとえばまつげについた雨粒が綺麗だとか。その光の雫が視界を遮ったりするのだけれど、それでも拭ったりしない。

たとえば白い腕を見せびらかす少女が傘を広げるのことは、勿体無い気がするだとか。ただ、その指先が雨に打たれる姿を見てみたい。

たとえば紫陽花が色づくのをひたすらに待っているだとか。毎日通る道には蕾のままだったり、まだ黄緑色の花があって、いつ、いつ、と思うの。

 

は、な、の、い、ろ、は。

じゅうなな

思い出って残酷だ

ふと涙が出てくるよね

それは嬉し涙の類なんだろうけどさ

 

楽しかったよ

美しかったよ

とてもとても充実してた

 

それに気がついたのが今だった

気づかなかったよ

今じゃなきゃ気づけなかった

 

シャボン玉を吹きながら帰ったあの日

ふつうじゃ嫌だと駄々をこねた

ふつうの女の子だったんだよね

しゅうしふ

生まれ変わったら男の子になって、たくさんの女の子を幸せにしてあげたい。

可愛い女の子は目一杯に愛でて、そうでない子にも優しい夢を見させてあげる。

大人になったらデザイナーズマンションに一人暮らしなんか始めて、黒猫を飼おう。その名前は「彗星」にしよう。

車は臙脂色か紺色の外車がいいかな。助手席には親か親友を乗せるから、女の子は乗せてあげない。

うん、いい調子。

そしていずれそれらに飽きた時、振り返った先に待っている、「ぼく」に歪んだ愛を向けた美少女に刺されてしまいたい。

「あなたがわたしを愛してくれないから悪いのよ」と言われたい。

「(ぼくを愛したばかりに法を犯すなんて)ごめんな…」と遺言を残したい。

そうして自由に生きてきた「ぼく」の人生は再び終わり、本当に愛すべき女の子には最期まで出逢うこともできない。

それがたとえば、ずっと隣でケンカをしてきた幼馴染みだとして、気づかずに幕を閉じればなお、物語としては美しい。

うん、シナリオは完璧。

あとは、今の人生に終止符を打つだけだ。

ふしあわせ

雨上がりの太陽の光が

あの子の幸せをみたの

 

途端に苦しくなったわ

それは私の求める物で

欲しくない物だからね

 

最近この手首が痛むと

白くなった痕が痛むと

苦しかったことが蘇る

「苦しかった」は過去

 

今私は幸せなのかしら

そうでないといいのに