1.11.99

記憶を辿る 文字のアルバム

ちょうちん

「なにその優しさ」

 

意外。みたいな顔して

ちゃんと嬉しそうにしたその表情が気に入ってて憶えてる。

 

話を聞くとき、小首を傾げるあざとさ。

 

ところどころ馬鹿にしてくるのも嫌いじゃない。

だってきみは賢いんだから。

 

でも、でもね。

きみは『むずかしい』。

大人って、こうだったってわたしに思い出させるの。

 

守るとエスコートはちがう。

彼氏と紳士はちがう。

きみがそう教えさせる。

 

これで、離れていくなら仕方ない。

わたしはまた『一から』をしたらいいんでしょ。

 

もうつかれた。

もうあったかいコーヒー飲みたい。

ぼうきゃく

あぁ、触らないで

触れないで

もうこっちまで来なくていい

 

好きになれなかった

ごめん

 

大切に「しなきゃ」と思ったあの日から

わたしの心なんて向いてなかったわ

 

それに気づいていたのに

いつかあなたをこうやって傷つけること

わかっていながら傍にいたの

 

それでもわかってるよ

あなたはわたしを嫌いになんてなれないの

 

嫌いになんてなれないの

あなたがそうしたいから

ナイフを片手に優しくてごめん

 

でも悪魔のようなわたしを

愛してしまったあなたが悪い

はんぶんこ

もう、助けてほしい、なんて甘えは捨てよう

 

だってわたしには「引く」ほど感情がないのだし

 

この脈動だっていつかは止まるんだし

 

その瞬間を自分で選ぶか運命が決めるかだけの話だし

 

「大切にするよ」って、

その言葉の優しさが耳から離れなかった

 

優しい君が音にしたからだよ

 

でももういいよ

もう言わなくたって大丈夫、

その声が聞けなくたって大丈夫、だけど

 

 

「じゃあ、死ぬ前に俺を殺して?」

 

 

あぁ、沈黙。

 

きみが欲しいと思った。

まちぼうけ

なんてもどかしいんだろうね、私たちの距離って。

 

ただiPhoneの画面が光らないだけで、生きてるのか死んでるのかすらわからない。

 

待つって、苦しいよ。

 

こういう時の涙って、いつもより簡単に目に溜まるんだ。

 

でもたとえばふたりが結婚して、同じ家に住んでいたって、一緒にいなければ同じことなわけで。

 

そう考えると、連絡がないことより、帰ってこないことのほうがよっぽど苦しいんだろう。

 

それだったらいっそ、「そんな存在」なんていないほうが心は穏やかなんじゃないか。

 

求めたら犠牲があるから。

 

裏切ったら傷つくから。

 

消えたら探されるから。

 

 

生きにくくも、死ににくい、なんて残酷な世界。

 

 

キスしてよ、世界。

あくびがお

橋の手すりの下に、川を指すような矢印のラクガキがありました。

その矢印の上に立ってみたら、それを描いたひとの気持ちがわかるかと思ったけれど。

 

「俺ならわかったかも」

 

きみは世界がこわいから、呼吸するように、小さなウソを何度も何度も吐くんだろう。

 

「ウソだよ」

 

って、切ないふうに言うんだね。

電話越しに聞こえたきみの笑い声がすきだ。

 

「どうしたの?なんかあったの?話聞くよ」

 

あぁ、『逃げ道』を見つけたと思ったのにな。

苦しさから逃げられると思ったのにな。

またゼロからかな。

 

愛しいところがあったら大丈夫だよ。

愛しかったよ。

カチカチカチ。

 

「痛々しいの、嫌いじゃないんだよね」

それとにた

「どういう意味?」って

馬鹿にしたように聞かないで。

 

きょう雨が降ったから僕の恋は叶うんだって

そんな曲を書いてよ。

 

すぐそこの電灯の光よりも

遥か遠くの月の灯りのほうが輝いているでしょ

気づいた?

 

夏の大三角

火星

木星

ねえアルクトゥルス

一瞬をなにをそんなに急いで、瞬いているの。

 

真夏の空が

雲が、夜が、星が

泣きそうなほどに美しい。

 

 

迎えに来ない君を凍えながら待ってる。

ゆかたそで

君が笑ったら

この花は咲くんだと思った。

 

君が泣いたら

この花は散るんだと思った。

 

暑くなってふと脳裏に蘇るような

『夏』ときくと一番に浮かぶような

またあの笑顔が見たいと思い出すような

 

そんな存在がかつていた。

 

 

太陽がよく似合う

月みたいな男の子だったんだ。