読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

しょうめん

回文、とかじゃないんだけど

僕は知ってるよ

引いて、逆から読めば

君の愛しい名前になる

 

自分の名前に『美』が入っていなくて、本当によかったと君が言っていたことを憶えてる

 

もし入っていたら、生きることが嫌になっていた、と

 

美しい君は、きっと美しいと言われても大して響かないんだろう

 

君を、最大限に褒める言葉を、愛しさを伝えられる言葉を、考えてばかりいる

 

安っぽかったらだめなんだ

凡人が思いつくのじゃだめなんだ

 

だめなんだ、僕じゃ

 

僕じゃ君の隣にはずっといられなくて

君も僕の隣じゃじっとしていられない

 

だから僕は君を守ってあげない

君を掬ってあげない

 

 

君を愛してるから、僕は、ずっと、君の正面にいることにする

いたみとは

美しくとも痛いのです、この傷は。

私を守るこの傷は。

 

生きたいのですか。

助けて欲しいのですか。

 

もう癒えることなどないのでしょう。

愛しく触れることなどないのでしょう。

 

美しくとも痛いのです、この傷は。

いのちのひ

めいにちを

きめたの

 

だいすきなあなたが

こきゅうをはじめたひ

 

めいにちよりもさきのやくそくは

ごめんね

やぶってしまうけど

おこらないでね

かわらない

好きなひとや、大事な友達や、家族と、うまく話せない日ってあるんだよ。

 

わたしはとっても気分屋で、毎日自己中に生きているのだと考えると自己嫌悪してしまって、それがまた外への態度に出る。

 

わたしみたいな自己中と話してもいいことないよ。

仲良くするだけ無駄だよ。

お願い、そんなに綺麗な笑顔で話しかけないで、わたしは穢れているから。

 

世の中で、わたしが一番嫌うのは「純粋」なのかもしれない。

そして世間から見えるわたしは、純粋とまではいかなくとも、まあまあ真面目で、気が利いて、優しくて。

 

気持ち悪い。

優しいねと言われるたび、この人は、わたしをよく知らないのだ、まだそんな仲なのだと絶望する。

 

のくせに、仲のいい人などいらないと日々過ごす。

矛盾の塊なのだ、わたしは。

 

美しくて、純粋で、笑顔の絶えないひとは。

くもりぞら

大好きなひとと、はじめてドライブをした。

空が見たいなんて言ってみたけれど天気は曇り。

彼は突然で、不意打ちが得意なひと。

 

『帰り道』なんて日本語が存在しなければいいのに、当たり前にそれは現れた。

 

ぽろっと溢れた「帰りたくないなぁ」なんて言葉は、本当の意味を持ってた。

 

帰りたくない。

は、

離れたくない。

は、

まだ一緒にいたい。

は、

好き。

は、

大好き。

 

わたしがこの街を離れるまで、きっとお互いに、「思い出作り」だと思ってる。

 

きっとわたしがこの街を離れる前提でないと、この関係はできなかった。

 

ねぇ、だから。

だからね、足掻いてみせるよ。

精一杯の思い出をちょうだいよ。

おくりもの

昨日、大好きな女の子と久々にごはんを食べに行った。

大好きなオムライスを、彼女の切ない話と共に頬張った。

彼女は、そう見えないようにしているけれど、頭の中は苦しみだらけで、そのせいで美しい涙を流すひとだった。

 

私はなにも気の利いたことが言えないから、ただ、なるほどねと頷くだけだったけれど、それでもいいんだよって聞こえた気がした。

私の話もたくさん聞いてくれた。

いつも近くにいる人には言えないこと、彼女以外にはどうせ否定しかされないこと、話し足りないくらいに出てくる。

 

彼女を喜ばせたくて、この前海に行った時に拾ったスカシカシパンを薔薇柄の封筒に入れてプレゼントした。

 

「今年もらったプレゼントで一番嬉しい」

「私、あなたみたいな恋人がいいのかも」

 

わたしも、彼女のような突飛な恋人ができたら、とても幸せだと本当に思う。

 

ずっと一緒にいたいと思える友人は、彼女くらいかもしれない。

年に、数回しか会えないかけがえのないひと。

 

好きだよ。

いつもわたしを掬う言葉をくれてありがとう。

かんにんぐ

わたしはいつも、答えを知りながら行動している。

何もかも、前もって知っている。

 

あの人がこれから何をするのか知っていて、「何するの?」と聞く。

あの人が何が欲しいのか知っていて、「何が欲しいかわからなかったんだけどね」とプレゼントする。

あの人が何に苦しんでいるのか知っていて、「何かあったんじゃない?」と見破ったフリをする。

 

全部知っている。

ずるいんだ、わたしは。

ずるく、人一倍ずるく生きているのに、みんなの中ではわたしは、『性格美人』。

 

けれどもう後には引けない。

 

大好きな人に、「性格いいね」と言われた時、わたしは、『わかってもらう』ことを諦めた。