1.11.99

記憶を辿る 文字のアルバム

しゅうしふ

生まれ変わったら男の子になって、たくさんの女の子を幸せにしてあげたい。

可愛い女の子は目一杯に愛でて、そうでない子にも優しい夢を見させてあげる。

大人になったらデザイナーズマンションに一人暮らしなんか始めて、黒猫を飼おう。その名前は「彗星」にしよう。

車は臙脂色か紺色の外車がいいかな。助手席には親か親友を乗せるから、女の子は乗せてあげない。

うん、いい調子。

そしていずれそれらに飽きた時、振り返った先に待っている、「ぼく」に歪んだ愛を向けた美少女に刺されてしまいたい。

「あなたがわたしを愛してくれないから悪いのよ」と言われたい。

「(ぼくを愛したばかりに法を犯すなんて)ごめんな…」と遺言を残したい。

そうして自由に生きてきた「ぼく」の人生は再び終わり、本当に愛すべき女の子には最期まで出逢うこともできない。

それがたとえば、ずっと隣でケンカをしてきた幼馴染みだとして、気づかずに幕を閉じればなお、物語としては美しい。

うん、シナリオは完璧。

あとは、今の人生に終止符を打つだけだ。