1.11.99

はるた彗星

はねとつめ

『能ある鷹は爪を隠す』

 

 

遠くで羽ばたいた誰かの、爪の切られる音が聴こえる。

爪切りって、羽の数だけあるんだ、たぶん。

 

ただ失ったものは翼ではないから、彼はまた飛べるだろう。

 

それでも、武器を奪われた彼は。

 

 

「もう、闘えないんだ、ぼく」

 

 

……なにを。

 

 

「何を言ってんのさ、また何回でも伸びるから」

 

 

君が知っていればいい。

 

ぼくの爪の鋭さも、折れた過去も、また伸びた先の未来も。

 

そう言ってくれた君だけが知っていればいい。

 

 

『能ある鷹は爪を隠す。君も守る』